必須とされるIATF16949の手順書(要求される内容)
① 文書管理と記録管理
文書の承認・発行・改訂・配布・保管方法
記録の保管期間・保護・廃棄手順
② リスク管理と機会の特定
製品やプロセスに関わるリスクの識別と管理方法
潜在的な問題への予防的対策
③ 製品安全の管理
製品安全に関わる特定・管理・監視手順(特に自動車部品では重要)
④ 変更管理(製品・工程の変更)
製品設計や工程条件の変更時に必要な承認や影響評価の手順
⑤ サプライヤー管理
サプライヤー選定、評価、パフォーマンス監視手順
特に外注先や購入部品に対する品質保証の仕組み
⑥ 内部監査
QMSの有効性を確認するための定期的な内部監査の実施手順
⑦ 是正処置・不適合管理
問題発生時の根本原因分析と是正処置
不適合品の識別・隔離・処理手順
⑧ 緊急時対応
設備故障・災害・ITトラブルなど、製造を脅かす事態への対応手順
⑨ トレーサビリティの確保
製品や部品の履歴追跡の方法(ロット管理・製造日など)
⑩ 検査・測定機器の管理
校正、保守、精度確認の手順
3. プロセスアプローチに基づく手順書
IATFでは、単なる手順書の羅列ではなく、プロセス間の関連性・相互作用を示すことが重視されます。たとえば、「受注 → 設計 → 購買 → 製造 → 検査 → 出荷」といった一連の流れの中で、各プロセスのインプット・アウトプット・責任・監視方法などが明確化されている必要があります。
4. 顧客固有要求への対応
顧客(OEMなど)によっては、独自の追加要求があり、それに対応する手順書が必要になる場合があります(例:フォード、トヨタ、GMなどのCSR:Customer Specific Requirements)。
必要な手順書は、組織の規模や業種によっても若干異なりますが、IATF 16949に準拠するためには、上記のような領域を網羅した体系的な文書化が不可欠です。手順そのものの形式は問われませんが、「一貫性」「最新性」「利用可能性」が重視されます。