第21章 供給者の第二者監査(8.4.2.4.1)
1.目的
当社が,当社に車部品を供給するサプライチェーンに対して,製品安全/規制要求事項,供給者のパフオーマンス及びQMS認証レベルを含む,リスク分析に基づいて,第二者監査の必要性,方式,頻度及び範囲を決定するため手順について定める。
2.適用範囲
当社の供給者選定プロセスにおいて、選定において取引先として承認されたサプライチェーンに対して適用する。
3.責任と権限
第二者監査の実施の責任は、品質保証部長にある。
4.参照文書及び関連帳票
監査実施計画書,第二者監査チェックリスト,監査報告書,是正処置報告書
5.実施事項
品質保証部は,毎年10月に供給者に対して第二者監査を実施する。
(1)供給者の第二者監査の実施内容
①供給者のリスク評価
②供給者の監視
③供給者のQMS開発(「第20章 供給者の品質マネジメントシステム開発
(8.4.2.3)参照」)
④製品監査
⑤工程監査
(2)実施に関する手順
1)監査前の準備
①品質保証部長は、自ら、あるいは、経験等を考慮して第二者監査員を指定する。
②監査は、実地監査を基本とするが、以下のような合理的な理由がある場合には、書面監査に代えることができる。
・書面確認のみで供給者の品質管理状況が確認できる。
・IATF16949,ISO9001の認定を受けており、年1回の維持審査を受けている。
・認証機関等による監査が行われ、適合であることが記載された監査結果報告書が提供されている。
③監査実施者は供給者の責任者に、監査予定日時や工場立入りの際の注意点、事前提供資料、監査予定内容などについて、事前に打合わせする。
④事前に資料(品質マニュアル、手順書類など)を入手、内容を確認後、事前打ち合わせ内容を記した「監査実施計画書」を送付する。
2)監査の実施方法
②あいさつの後、作業現場に入室する際の注意点について説明を受ける。
③作業現場及び文書・記録の確認は「第二者監査チェックリスト」を用いて実施し、適否の判断を行う。
3)監査結果の評価・報告及び是正及び措置の実施方法
①監査終了後、監査実施者は「監査報告書」を作成し、品質保証部長に報告する。
②監査の結果、要是正であった場合には、監査実施者は、品質保証部長の確認を受け、是正処置報告書にて供給者に是正を求める。
③監査実施者は、供給者より是正処置計画及び是正処置報告書を受け取り、品質保証部長に報告する。
④供給者からの報告書を品質保証部長が評価し、結果が要是正であった場合、監査実施者は、手順に則って再度、供給者監査を行うか、再度、「是正処置報告書」を送付する。
⑤是正が終了した場合、品質保証部長は、供給者の責任者に結果を報告する。
4)第二者監査員の力量(7.2.4)
品質保証部長は,第二者監査を実施する監査員の力量を実証する。第二者監査員は,監査員の適格性確認に対する願客固有要求事項を満たし,次の事項の理解を含む,最低限の核となる次の力量を実証する。
a)リスクに基づく考え方を含む,監査に対する自動車産業プロセスアプローチ
b)該当する顧客及び組織の固有要求事項
c)監査範囲に関係する,該当するISO9001及びIATF16949要求事項
d)PFMEA及びコントロ-ルブランを含む,監査対象となる製造工程
e)監査範囲に関係する,該当するコアツール要求事項
f)計画,実施,監査報告書の準備及び監査所見の完了の仕方
5)監査員の資格
第二者監査員は,IATF承認審査機関のIATF16949審査員とほぼ同等の研修コース及び試験を受けて,試験に合格し,品質管理者が承認した人。
6) 文書化した情報の管理
供給者の第二者監査に関する文書化した情報は「第13章 文書管理」「第14章 記録の管理」に基づき管理する。