ISO 13485内部監査チェックリストのメリット
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チェックリストを使うことで、どの監査員が担当しても同じ基準で確認・評価が可能になります。
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文書管理、製造管理、トレーサビリティなど、複雑な要求事項の見落としを防ぎます。
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チェックリストを使えば、事前にどこを重点的に見るか明確にでき、効率的に準備が進められます。
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チェック項目ごとに、関連文書・記録を把握しておくことで、現場での確認が円滑に。
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発見された不適合や改善点を、チェックリストの項目と照らして分析・対策が立てやすくなります。
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新しい監査員の育成や、品質マネジメントの理解を深める教材として使えます。
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内部監査がしっかりと行われている証拠となり、外部審査機関への信頼性アップに。
内部監査規定
1.目的
目的は、校正センターの品質マネジメントシステムに関して以下の事項が満足されているか否を判断するために内部監査に関する手順を明確にすることである。
①品質マネジメントシステムが、ISO 17025:2017(JIS Q 17025:2017)のマネジメントシステムの要求事項に適合しているか。
②品質マネジメントシステムが効果的に実施され、維持されているか。
③品質マネジメントシステムがこの規格の要求事項を含めて、品質マネジメントのために計画された取決めに合致しているか。
④監査の結果に関する情報を社長に提供する。
2.適用範囲
校正センターが実施する年1回(1月)の内部監査に適用する。なお、社長または品質管理者が必要と判断した際には臨時に内部監査を実施する。
3.責任及び権限
内部監査を統括する責任は、品質管理者にある。内部監査は、品質管理者(内部監査員として要件を満たしている)が実施し、(品質管理者に対しては他の監査員が行う)社長に報告する。
4.参照文書及び関連帳表
内部監査実施計画書 8.8-01
内部監査チェックリスト 8.8-02
内部監査報告書 8.8-03
是正処置報告書 8.7-01
予防処置報告書 8.7-02
有資格者一覧表 6.2-04
5.実施事項
(1)内部監査の計画
1)内部監査員の資格認定
社内外のISO 17025の内部監査員養成コースを受講し終了した者を品質管理者が内部監査員として認定し、社長が承認する。品質管理者は、「有資格者一覧表」に登録し「職務任命書」を発行する。
2)「内部監査実施計画書」の策定
①品質管理者は、2ヶ月前までに内部監査を実施する内部監査員を指名する。
②品質管理者は、内部監査実施予定の1ヶ月前までに「内部監査実施計画書」を作成する。
「内部監査実施計画書」には以下の項目を含む。
実施場所、監査目的、監査基準、監査方法、実施予定日、被監査者、時間、
ISO要求事項、監査員
③品質管理者は作成した「内部監査実施計画書」を社長に提出し、承認を得る。
監査は内部監査員の要件を満たす品質管理者が全被監査者に対して行う。
ただし、品質管理者に対しては他の者が行う。
監査員は自らの仕事は監査できない。
3)内部監査実施の通知
品質管理者は内部監査の実施2週間前までに「内部監査実施計画書」をもって、被監査者に
内部監査の実施を通知する。
4)内部監査チェックリストの(作成)確認
品質管理者は内部監査の実施までに、「内部監査チェックリスト」を(作成)確認し、社長の
承認を得る。
(2)内部監査の実施・報告
1)内部監査の実施
①監査前会議:監査員と被監査側で監査前会議を行い、「内部監査実施計画書」を
もとに、監査の目的、範囲(対象者、該当要求事項)、実施時間等を確認する。
②監査の実施:監査員は、「内部監査チェックリスト」に基づいて監査を実施する。
③監査員会議:監査終了後、監査員は、監査結果及び評価のとりまとめを行う。
その際、推奨事項、不適合は以下の区分で分類する。
a)重大な不適合:その不適合が是正されないと品質が保証されない場合、あるい
は品質マネジメントシステムが有効に機能しない場合。
b)軽微な不適合:その不適合が是正されなくても、品質マネジメントシステムへ
の影響がすくないか、あるいは直ちに影響しない場合。
c)推奨事項:要求事項には触れていないが、改善したほうがよいのではと思われる問題、
アドバイス。
④監査後会議:監査員と被監査側で監査後会議を行い、監査結果の報告とその結果に
対する被監査側の確認を行う。
2)内部監査報告書、是正処置報告書の作成
監査員は、監査終了後3日以内に「内部監査報告書」と不適合1件につき1葉の「是正処置報告書」を作成し、監査で使用した「内部監査チェックリスト」を添付して、品質管理者に提出する。
3)被監査部門への監査結果の報告
品質管理者は、「内部監査報告書」「是正処置報告書」のコピーを被監査側に提出する。
(3)是正処置及びフォローアップ
1)不適合事項の是正処置
①品質管理者は、「是正処置報告書」をもって、被監査側に内部監査における不適合指
摘の是正を指示する。
②是正指示を受けた被監査側は、不適合の原因分析を行い、是正処置案を立案し「是
正処置報告書」に記載して品質管理者に提出する。
③品質管理者は、提出された是正処置案の妥当性をチェックし、妥当と判断した場合
は、被監査側に是正処置の実施を指示する。又、妥当と判断できなかった場合は再
度、是正処置案の立案を指示する。
④被監査側は、是正処置を実施しその結果を「是正処置報告書」に記録を記入し、品
質管理者に報告する。
2)フォローアップ
品質管理者は、是正処置が効果的であることを確実にするためにフォローアップを実施する。
フォローアップは、以下のいずれかにより行う。
①是正処置が計画どおりに実施されたことを示す文書の確認
②フォローアップ監査
③次回内部監査による監査内容の確認
3)再監査 次回内部監査で確認
品質管理者は、フォローアップの結果を「是正処置報告書」に記録する。
(4)記録
内部監査の文書及び記録としての、「内部監査実施計画書」「内部監査チェックリスト」
「内部監査報告書」「是正処置報告書」は、第17章「記録の管理(8.4)」の手順に従い
保管する。