ISO14001内部監査の始め方
ISO14001の内部監査を任されて戸惑っているのは自然なことです。段階的に進めていくことで、効果的な内部監査を実施できるようになります。以下にステップバイステップの始め方をご紹介します。
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規格と環境マネジメントシステムを理解する
- ISO14001:2015規格書を入手して精読する
- 内部監査員研修を受講する(可能であれば)
- 組織の環境マニュアルや手順書を確認する
- 環境側面と環境影響の特定リストを確認する
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過去の監査情報を収集する
- 前回の内部監査報告書を確認する
- 外部審査の報告書があれば確認する
- 是正処置記録を確認し、過去の不適合パターンを把握する
- マネジメントレビューの結果を確認する
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監査計画を策定する
- 監査の目的と範囲を明確にする
- 監査スケジュールを作成する(部門ごとの日程調整)
- 監査チームを編成する(監査対象から独立した要員)
- 監査基準を確定する(ISO14001規格、法的要求事項、社内文書など)
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監査チェックリストを準備する
- ISO14001の要求事項に基づくチェックリストを作成する
- 環境側面評価や法規制遵守状況の確認項目を含める
- 組織特有の環境リスクに関する質問項目を追加する
- 環境パフォーマンス指標の達成状況を確認する項目を含める
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関係者への周知を行う
- 監査計画を関係部門に通知する
- 監査の目的と進め方を説明する
- 必要な文書や記録の準備を依頼する
- 質問や懸念に対応する
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監査を実施する
- 初回会議で監査の目的と進め方を説明する
- インタビュー、文書レビュー、現場視察を実施する
- 環境管理状況の観察と記録の確認を行う
- 発見事項を記録する(適合・不適合・改善機会)
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監査報告書を作成する
- 監査結果をまとめる
- 不適合事項と改善機会を明確に記述する
- 環境パフォーマンスに関する観察事項を記録する
- 最終会議で結果を説明し、合意を得る
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フォローアップを実施する
- 不適合に対する是正処置計画の提出を依頼する
- 是正処置の実施状況を確認する
- 是正処置の有効性を検証する
実践的なアドバイス
- 環境側面と環境影響の特定・評価プロセスを重点的に確認する
- 法規制の遵守状況を丁寧に確認する(環境関連法規は複雑なため)
- 緊急事態への準備と対応の仕組みを必ず確認する
- 現場視察では実際の環境管理状況(廃棄物管理、排水管理など)を確認する
初めての内部監査では完璧を目指さず、経験を積みながら監査スキルを向上させていくことが大切です。環境保全と法令遵守という重要な目的のために、効果的な監査を実施しましょう。