ISO内部監査とは
ISO内部監査とは、組織自身が自社のマネジメントシステムを評価し、規格要求事項への適合性と有効性を確認するプロセスです。主に以下の目的があります:
- マネジメントシステムが規格要求事項に適合しているか確認する
- マネジメントシステムが効果的に実施・維持されているか評価する
- 改善の機会を特定する
ISO内部監査の実施プロセス
1. 監査計画の策定
- 年間監査計画の作成(対象部門、時期、監査チームの編成など)
- リスクベースアプローチによる重点監査分野の特定
- 監査プログラムの承認(経営層または管理責任者)
2. 監査準備
- 監査チームの編成(主任監査員と監査員)
- 監査チェックリストの作成
- 被監査部門への通知
- 関連文書のレビュー(前回監査結果、手順書、記録など)
3. 監査実施
- 初回会議(オープニングミーティング)の開催
- インタビュー、観察、文書確認による証拠収集
- 発見事項の記録
- 終了会議(クロージングミーティング)での結果報告
4. 監査報告書作成と是正処置
- 不適合事項、観察事項、改善提案の文書化
- 是正処置計画の策定(被監査部門)
- 是正処置の実施と有効性確認
5. フォローアップ
- 是正処置の期限内実施の確認
- 是正処置の有効性評価
- 必要に応じたフォローアップ監査の実施
内部監査員の要件
- 独立性と客観性の確保(自分の業務は監査できない)
- 監査技術の習得(監査員研修の受講など)
- 規格要求事項の理解
- コミュニケーション能力
監査のポイント
- プロセスアプローチによる監査(インプット→プロセス→アウトプットの流れ)
- 適合性だけでなく、有効性の評価
- 継続的改善の視点
- 証拠に基づく客観的評価
ISO内部監査の結果は、マネジメントレビューへのインプットとして活用され、組織の継続的改善に貢献します。また、第三者認証審査の前に問題点を発見し、是正する機会としても重要な役割を果たします。