ISO9001内部監査とは、組織が自社の品質マネジメントシステム(QMS)が国際規格ISO9001:2015「品質マネジメントシステム要求事項」に適合しているかを評価するために実施する自己評価プロセスです。この監査は組織自身によって計画・実施される点が特徴です。
内部監査の主な目的
- 適合性の確認: 組織のプロセスやシステムがISO9001規格および自社で定めた要求事項に適合しているかを検証する
- 有効性の評価: 品質マネジメントシステムが効果的に実施・維持されているかを評価する
- 改善機会の特定: 組織のパフォーマンス向上につながる改善の機会を見つける
- リスクの把握: 潜在的なリスクや問題点を事前に発見する
内部監査の主な特徴
- 組織内の独立した要員によって実施される(監査対象の活動に直接関与していない人)
- 計画的かつ定期的に実施される(通常は年に1回以上)
- プロセスアプローチに基づいて実施される
- 文書化された手順に従って行われる
- 監査結果はマネジメントレビューのインプットとなる
内部監査の一般的なプロセス
- 監査計画の策定: 目的、範囲、基準、スケジュールの設定
- 監査チームの編成: 適切な力量を持つ監査員の選定
- 監査準備: チェックリストの作成、事前レビューの実施
- 監査の実施: インタビュー、観察、文書確認などの監査手法による証拠収集
- 不適合の特定: 規格要求事項からの逸脱の特定と記録
- 監査報告書の作成: 監査結果のまとめと所見の記録
- 是正処置の実施: 不適合に対する根本原因分析と是正処置
- フォローアップ: 是正処置の有効性の検証
ISO9001内部監査は、組織が継続的改善を促進し、顧客満足を向上させ、品質マネジメントシステムの有効性を維持するための重要なツールです。また、外部審査に向けた準備としても機能します。