ISO 13485(医療機器の品質マネジメントシステム)取得の失敗における主な理由を以下に箇条書きでまとめました。
- 経営層のコミットメント不足
- ISO 13485を単なる認証取得の手続きと考え、品質向上の意識が低い
- 経営層が規格要求事項を十分に理解していない
- 「とりあえず認証を取れ」と指示するだけで、具体的な支援をしない
- 取得後の維持・継続的改善に関心がない
- リソースの不足
- ISO 13485の取得・運用に必要な人員を確保しない
- 品質管理部門の責任者や専門家を配置しない
- 教育・研修に投資せず、従業員の理解度が低いまま
- 必要なインフラ(設備・システム)に予算を割かない
- 品質方針・目標の不明確さ
- 経営方針と品質方針の整合性が取れていない
- 取得目的が曖昧で、従業員が意義を理解していない
- 短期的なコスト削減を優先し、長期的な品質改善を軽視する
- 品質目標が具体性に欠け、従業員の行動につながらない
- 品質マネジメントシステム(QMS)の形骸化
- 形だけのマニュアルを作成し、実際の業務に適用できていない
- 「品質管理部門だけの仕事」と考え、経営層が関与しない
- 内部監査やマネジメントレビューを適当に済ませる
- QMSの運用改善を怠り、不適合が繰り返される
- 法規制対応への意識不足
- ISO 13485の法規制要求(FDA・CEマーキングなど)を軽視
- 医療機器のリスク管理(ISO 14971)を十分に理解していない
- 各国の規制要件との整合性を考慮せず、市場展開に影響を及ぼす
- 部門間の連携不足を放置
- 品質管理、設計、製造、営業の連携が取れていない
- 経営層が部署間の調整を行わず、情報共有が不十分
- 製造や購買部門が品質管理の重要性を理解していない
- 短期的視点での意思決定
- 「とにかく早く取得しろ」と無理なスケジュールを設定
- 外部コンサルに丸投げし、実務に即した運用ができていない
- コスト削減を優先し、品質管理の仕組みを整えない
- 取得後の維持管理を軽視し、更新審査で問題が発生
結論: 経営層がISO 13485を単なる認証取得の手続きと考えると、実務に根付かず、運用が形骸化します。 品質方針の明確化・適切なリソース配分・継続的な改善を主導することで、ISO 13485の本来の目的である医療機器の品質保証と安全性向上を実現することが求められます。