ISO13485品質マニュアル作成の失敗

ISO13485の品質マニュアル作成における失敗の主な理由

を以下にまとめました。

1. 経営層の関与不足

  • 品質マニュアルの作成を現場任せにし、経営層が関与しない

  • 経営者自身がISO 13485の要求事項を理解していない

  • 品質マニュアルの意義を従業員に説明せず、形だけの書類になる


2. 品質方針・目標の不明確さ

  • 経営方針と品質方針が一致していないため、現場が混乱する

  • 品質目標が具体的でなく、従業員の行動につながらない

  • 「とりあえず作るだけ」と考え、戦略的な視点が欠けている

3. リソースの不足

  • 品質マニュアル作成に必要な人員・時間を確保しない

  • 品質管理部門の教育や研修に投資せず、作成者の知識不足

  • コンサルタントに丸投げし、実務に適さない内容になる

4. 実務との乖離

  • 現場の実態を無視し、形だけのマニュアルを作成する

  • 既存の業務プロセスを考慮せず、使われないマニュアルになる

  • 「規格に沿っていればよい」と考え、実際の運用を無視する

5. 継続的な見直しの欠如

  • 一度作成したら見直しをしないため、運用と乖離していく

  • マネジメントレビューを軽視し、現場のフィードバックを反映しない

  • 内部監査で問題が見つかっても、改善を指示しない

6. 部門間の調整不足

  • 経営層が各部門の連携をサポートしないため、情報が共有されない

  • 製造・設計・品質管理などの部署間で責任の押し付け合いが発生

  • 経営者が関与しないため、組織全体としての品質意識が低い

7. 短期的視点での意思決定

  • 早く取得すること」を優先し、マニュアルの質を軽視する

  • コスト削減のために最低限の内容しか記載しない

  • 取得後の運用を考えず、維持管理の仕組みを整えない

結論:

経営層が品質マニュアル作成を単なる認証取得のための手続きと捉えると、実務に即したものにならず、形骸化したマニュアルになりがちです。
品質方針の明確化・適切なリソース配分・継続的な見直しの実施を経営層が主導することで、ISO 13485の本来の目的である医療機器の品質保証と安全性向上が実現できます。

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