目 次
序文
1 適用範囲
2 引用規格
3 用語及び定義
4 一般要求事項
4.1 公平性
4.2 機密保持
5 組織構成に関する要求事項
6 資源に関する要求事項
6.1 一般
6.2 要員
6.3 施設及び環境条件
6.4 設備
6.5 計量トレーサビリティ
6.6 外部から提供される製品及びサービス
7 プロセスに関する要求事項
7.1 依頼,見積仕様書及び契約のレビュー
7.2 方法の選定,検証及び妥当性確認
7.3 サンプリング
7.4 試験・校正品目の取扱い
7.5 技術的記録
7.6 測定不確かさの評価
7.7 結果の妥当性の確保
7.8 結果の報告
7.9 苦情
7.10 不適合業務
7.11 データの管理及び情報マネジメント
8 マネジメントシステムに関する要求事項
8.1 選択肢
8.2 マネジメントシステムの文書化(選択肢A)
8.3 マネジメントシステム文書の管理(選択肢A)
8.4 記録の管理(選択肢A)
8.5 リスク及び機会への取組み(選択肢A)
8.6 改善(選択肢A)
8.7 是正処置(選択肢A)
8.8 内部監査(選択肢A)
8.9 マネジメントレビュー(選択肢A)
-
プロセス要求事項(Process Requirements)
ここがISO/IEC 17025の中心。試験・校正の実施における要求事項がまとめられています。
- 7.1 顧客との契約の確認
→ 顧客と交わす契約の内容が明確で、要求が正確に理解されていること。 - 7.2 試験・校正方法の選定・妥当性の確認
→ 国際規格や顧客指定など、適切な方法を選定。必要に応じて開発や妥当性確認も実施。 - 7.3 サンプリング
→ 試料採取がある場合、その計画や手順、記録が必要。 - 7.4 試験・校正品の取り扱い
→ 輸送、保管、識別、保護などのプロセス管理。 - 7.5 技術記録
→ 試験結果や観察事項の記録は完全かつ追跡可能であること。 - 7.6 測定の不確かさの評価
→ 測定値に対する不確かさを把握し、必要な場合には算出・報告する。 - 7.7 結果の妥当性の確保
→ 繰り返し試験、標準物質の使用、外部精度管理(インターラボなど)により、妥当性を確認。 - 7.8 結果の報告
→ 報告書に必要な情報(測定結果、方法、認定記載など)が含まれているかを確認。 - 7.9 苦情への対応
→ 顧客からの苦情を受付・対応するためのプロセスを整備。 - 7.10 不適合業務の管理
→ 異常や逸脱があった場合、その是正処置・再発防止が取られているか。 - 7.11 データ・情報管理
→ 電子記録・紙記録の保存、セキュリティ、改ざん防止策などが必要。
7. プロセス要求事項(Process Requirements)
🔹 7.1 契約のレビュー
🔎 チェックリスト
チェック項目 | Yes/No | 備考 |
顧客からの要求が正確に記録されているか? | □ | 要求事項一覧または注文書 |
要求に応じられる技術的能力があるかを確認しているか? | □ | 対応可否の記録 |
顧客と合意した内容が文書化されているか? | □ | 契約書・見積書・仕様書 |
契約内容の変更があった場合、再確認・合意がなされているか? | □ | 再レビュー記録の保持 |
📘 実例
- 顧客からの試験依頼に対し、「試験条件」「報告書形式」「納期」を事前に確認し、レビューシートに記録。
- 途中で試験条件の変更が生じた場合、顧客と再協議し、改訂された仕様書を保存。
🔹 7.2 試験・校正方法の選定・妥当性の確認
🔎 チェックリスト
チェック項目 | Yes/No | 備考 |
標準化された試験・校正法を使用しているか? | □ | ISO, JIS, ASTM など |
非標準法を使う場合、その妥当性確認が実施されているか? | □ | バリデーション記録 |
開発された方法が文書化されているか? | □ | 試験手順書など |
📘 実例
- 新製品に対し、社内で試験法を開発。精度、再現性を評価するバリデーション試験を実施し、記録に残す。
- 通常業務ではJIS法を使用。最新版の規格に常に更新しているか、年1回のレビューでチェック。
🔹 7.3 サンプリング
🔎 チェックリスト
チェック項目 | Yes/No | 備考 |
サンプリングが試験業務に含まれるか? | □ | 含まれる場合のみ適用 |
サンプリング手順が定義・文書化されているか? | □ | 手順書・図解 |
サンプルの識別・記録が行われているか? | □ | ラベル、採取記録 |
📘 実例
- 客先から現地でのサンプリング依頼があった際、「日時・場所・担当者・方法」をサンプリング記録票に記載し、写真記録も添付。
🔹 7.4 試験・校正品の取り扱い
🔎 チェックリスト
チェック項目 | Yes/No | 備考 |
サンプルの受け入れ、識別、保管、処理方法が整備されているか? | □ | 受入チェックリストあり |
輸送中の品質への影響を管理しているか? | □ | クーラーボックス使用など |
逸失・損傷の際の対応手順があるか? | □ | 顧客への通知含む |
📘 実例
- 受け取ったサンプルにバーコードを付け、LIMS(検査管理システム)でトラッキング。
- 破損が発覚した場合、写真付きで顧客に報告し、再送を依頼。
🔹 7.5 技術記録
🔎 チェックリスト
チェック項目 | Yes/No | 備考 |
全ての試験結果が明瞭かつ追跡可能に記録されているか? | □ | 手書き or 電子記録 |
誰が、いつ、どのように記録したか明示されているか? | □ | 記録に署名やタイムスタンプ |
記録の修正が正しく行われているか? | □ | 二重線+訂正署名あり |
📘 実例
- 試験ノートには日付、試験者名、試験条件、観察結果を詳細に記載。訂正がある場合は訂正理由と署名。
※7.6~7.11(測定の不確かさ、妥当性確認、報告、苦情、不適合、情報管理)は、次のメッセージでまとめてご紹介します。
このペースで問題なければ続けますが、もし途中でPDF化/Excel化をご希望でしたら、そのタイミングで作成できます。続きを表示しますか?
4o
あなた:
続き
ChatGPT:
ありがとうございます!それでは【7.6~7.11】のチェックリストと実例を続けてご紹介します。
✅ 7.6 測定の不確かさの評価
🔎 チェックリスト
チェック項目 | Yes/No | 備考 |
測定の不確かさを評価する必要がある業務を特定しているか? | □ | 定量測定などが対象 |
不確かさの算出方法が明確で妥当であるか? | □ | GUM(不確かさのガイド)準拠など |
評価結果が文書化され、報告書に反映されているか? | □ | 必要な場合に報告書へ記載 |
📘 実例
- 分析試験では、再現性、器具精度、標準物質の誤差などを組み合わせて合成標準不確かさを算出。
- 測定結果に「±0.5 mg/L(95%信頼区間)」のように明記。
✅ 7.7 結果の妥当性の確保
🔎 チェックリスト
チェック項目 | Yes/No | 備考 |
内部精度管理(再試験・標準物質・ブランク等)を行っているか? | □ | 日常的なQCチェック |
外部精度管理(技能試験、相互比較)に参加しているか? | □ | 定期参加・報告書保存 |
異常な結果の調査と是正が記録されているか? | □ | 分析報告・対策記録あり |
📘 実例
- 月1回、外部技能試験に参加し、自機関の測定精度を評価。偏差があれば原因調査を実施。
- 標準物質によるチェックは毎ロットで実施し、記録をQCチャートにて管理。
✅ 7.8 結果の報告
🔎 チェックリスト
チェック項目 | Yes/No | 備考 |
報告書に必要な情報(試験内容、方法、日付など)がすべて記載されているか? | □ | 顧客識別情報も含む |
試験方法が顧客要求や標準に準拠しているか? | □ | 記載ミスに注意 |
認定マークの使用が適切か? | □ | 認定範囲内の試験に限定 |
📘 実例
- 報告書には「依頼者名」「試験方法」「結果」「不確かさ(必要な場合)」を明記。
- JABマークは、ISO/IEC 17025認定範囲に含まれる試験結果のみ記載し、範囲外では使用せず。
✅ 7.9 苦情への対応
🔎 チェックリスト
チェック項目 | Yes/No | 備考 |
苦情の受付・対応フローが定義されているか? | □ | 苦情処理手順書あり |
苦情の記録、対応内容、顧客への連絡が文書化されているか? | □ | 苦情記録台帳 |
再発防止のための分析・是正が行われているか? | □ | 是正処置記録あり |
📘 実例
- 顧客から「試験納期遅延」に対して苦情。調査後、担当者の作業負荷が原因と特定、日程管理を見直し。
- 苦情受付日、対応担当者、対応内容を台帳に記録。
✅ 7.10 不適合業務の管理
🔎 チェックリスト
チェック項目 | Yes/No | 備考 |
異常・逸脱が発生した際の対応フローが定められているか? | □ | 不適合管理手順書 |
原因の特定と、是正処置が記録されているか? | □ | RCA(根本原因分析)含む |
不適合品・結果の明確な識別と隔離が行われているか? | □ | 識別ラベル等あり |
📘 実例
- 校正作業後、標準器の誤設定により結果を誤って報告。全報告書を回収し、再校正のうえ再発防止策を導入。
✅ 7.11 データ・情報の管理
🔎 チェックリスト
チェック項目 | Yes/No | 備考 |
記録やデータ(電子・紙)の管理方法が定義されているか? | □ | 保管期間・セキュリティなど明記 |
改ざんや誤記を防ぐためのアクセス管理が行われているか? | □ | パスワード・ログ追跡など |
データのバックアップや復旧体制が整っているか? | □ | 定期バックアップ確認 |
📘 実例
- 電子記録はLIMS上で記録・管理。アクセス権は業務レベルごとに制限されており、操作ログが残る。
- データは日次でサーバに自動バックアップ。過去5年分を保存。