ISO17025品質マニュアルの作成の流れ

ISO 17025品質マニュアルの作成は、以下の流れで行います。

1.準備

マニュアルの目的と範囲を定める

マニュアルの体裁を決定する

マニュアルの項目を決定する

2.作成

各項目の本文を作成

マニュアル全体の体裁を整える

3.レビュー

関係者によるレビューを行う

必要に応じて修正を行う

4.承認

マニュアルを承認する

準備

はじめに、マニュアルの目的と範囲を定めます。目的は、マニュアルを作成することの意義を明確にします。範囲は、マニュアルの適用範囲を定めます。

次に、マニュアルの体裁を決定します。体裁とは、マニュアルの章立て、見出し、本文の表現方法などです。 最後に、マニュアルの項目を決定します。項目は、ISO 17025規格の要求事項を踏まえて、試験所・校正機関の業務内容に合わせて決定します。

作成

各項目の本文を作成します。本文は、具体的でわかりやすい表現で作成する必要があります。また、マニュアル全体の体裁を整えます。

レビュー

関係者によるレビューを行います。レビューでは、マニュアルの目的と範囲、体裁、本文の内容などについて検討します。必要に応じて修正を行います。

承認

マニュアルを承認します。承認者は、マニュアルの責任者であることが多いです。

ISO 17025品質マニュアル作成のポイント

ISO 17025品質マニュアルを作成・運用する際には、以下のポイントに注意するとよいでしょう。

ISO 17025規格の要求事項を満たす

ISO 17025品質マニュアルは、ISO 17025規格の要求事項を満たす必要があります。要求事項を満たすために、マニュアルの内容を適切に検討しましょう。

明確でわかりやすい表現を用いる

マニュアルは、すべての従業員が理解できるように、明確でわかりやすい表現を用いて作成する必要があります。

専門用語を利用する場合は、定義を明確にしましょう。

定期的に見直しを行う

組織の状況や業務内容の変化に合わせて、定期的に見直しを行い、必要に応じて改訂を行うようにしましょう。

ISO17025品質マニュアルの作成の流れは、ISO17025要求事項に従い、作成していきます

ISO17025要求事項はこちらをご覧ください

ISO17025品質マニュアルの作成には,一般要求事項から8マネジメントシステムの要求事項まで理解が必要。

項番 項     目 取組む内容
4 般要求事項 試験所の公平性について記述します。顧客との機密情報及び所有権の保護を確実にするための事項について記述します。
組織構成に関する要求事項

試験所の組織について記述し、兼務しているほかの試験等について識別します。
ラボラトリマネジメントを任命します。
適用範囲 適用とする試験事業所名、住所,試験を行う場所、適用する試験事業と活動,試験所に従事する者を明確にします。
試験活動について試験所の組織、試験所に従事する人の職務、責任及び権限を明確にし、表にまとめます。
所長、品質管理者、技術管理者、試験結果証明書発行責任者、試験技術者、その他の試験従事者(訓練中の者を含む)

責任分担マトリクス表
品質管理者の任命2名(正,代理人)
コミュニケーションの場を決める(会議等)

資源に関する要求事項 人、施設及び環境条件、試験方法の選定、設備、校正機器
・人 組織での役付けした人(例えば試験のできる人)の力量が必要、そこまでの教育と資格認定までのトレース
各従事者の力量の確保達成計画
ここでの文書化した情報の維持、保持
以上を職務規定として表にまとめる。
・施設及び環境条件に付いて、見取り図を作成し、環境条件を記載する
・試験を行うに当たり必要なもの(試験機など)をリストアップして台帳、一覧表を作成する。
・機器等については、”取扱説明書”を常置する。
・施設、設備等の管理について、手順書で明確にする。
・校正機器を用いている場合には、ISO17025認定の校正業者の校正依頼をし、結果報告書を保管しておく。
・外部から提供される製品(施設,設備,機械,器具など)及びサービス(校正機関への校正依頼など)について決まりごとを明確にする。   
登録を受け よ う とする試験方法の区分試験方法の区分の名称
製品試験等に係る日本産業規格の番号、項目番号及び記号
 プロセスに関する要求事項

営業(依頼、見積、契約)→試験方法の選定、妥当性確認、サンプリング試験品目の取り扱い、
試験に必要な技術的記録
測定の不確かさ
試験結果の妥当性 
外部の技能試験への参加、
所内における技術者間技能試験の結果の比較
試験結果の報告
苦情対応の解決手順
不適合業務の取り扱い
データの管理及び情報マネジメント

8 マネジメントシステムに関する要求事項 ・品質方針
・外部及び内部の課題
・利害関係者のニーズ及び期待
・マネジメントシステムの文書化(文書,記録)及び管理
試験所で正式に採用された内部文書、外部文書の管理
試験所で使う記録様式の明確化
・品質目標の設定と取り組み
・リスク及び機会の特定
・改善
・是正処置
・内部監査
・マネジメントレビュー
※内部監査とマネジメントレビューは、審査までに実施している必要があります。